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My journey around gin 〜 01:原点 XORIGUER / MAHON




ジンフェスティバル東京及びcraftgin.jp主宰、GOOD MEALS SHOPオーナー三浦武明による「ジンを巡る旅」My journey around gin.の連載

もともと大好きだったジン、その魅力や奥深さ、そして新たなクラフトジンのカルチャーの息吹に引き込まれていくキッカケになったのは「ショリゲル(XORIGUER)」と呼ばれるスペインの小島、バレアレス諸島の最も東に位置するメノルカ島で古くから造られてきたジンとの出会いでした。


10年ほど前に偶然立ち寄ったレストラン、棚に置かれた素朴な陶器のボトルに目を惹かれ、「これなんですか?」と声を掛けたのがショリゲルとの出会い。「え?ジンなの!?スペイン産?」というわけで早速ストレートで、ロックで、そしてジン&トニックにして試飲、美味しい。。



伝統を守り続けるスペインの島酒


18世紀に島に駐留していたイギリス海軍の船員や兵士の為に作られるようになり、100年ほど前からはショリゲル(もしくはショリガー)の名前でボトリング、販売されるようになった島酒。真っ直ぐなジュニパーベリーのアロマと葡萄スピリッツによる滑らかな飲み口、長く柔らかな余韻。ロンドンドライジンとは違った味の輪郭に「こんな地酒みたいなジンもあるんだ」という驚き、その素晴らしい味わいにすっかり魅了され、その後の人生を大きく変えることになった思い出深いジン、「ジンを巡る旅」の原点です。


時々ボタニカルは”ジュニパーベリーのみ”との解説を見かけますが、ジュニパーベリーを主体にしながらもいくつかの”秘密の”草根木皮がバスケットに入れられているようです。昔ながらの銅製のポットスチルで直火蒸溜、オーク樽で数ヶ月保存されたのちに瓶詰め。ヨーロッパ各地で愛飲されるようになった現在も家族経営で丁寧に造り続けられています。


1,000銘柄近いジンをテイスティングした現在でも、ショリゲルはやっぱり美味しい、むしろあらためて美味しい。38度の軽めのボディと滑らかな酒質、所謂ドライなキレのあるタイプではありませんが、トニックウォーターで割っても味がボケるというより膨らんで広がるようなイメージ。この辺はロンドンジンと国産ジンの味わいの傾向の違いなんかにも繋がる興味深い部分なので、ぜひまた別の機会に書いてみたいなと思っていますが、ちょっとマニアックかな。。




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