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ジン・トニックに欠かせない素材「トニックウォーター」とはどんなもの?



ジンの定番の飲み方と言えばジン・トニック。そのジン・トニックを作る上で無くてはならないのが「トニックウォーター」です。 今回は、日本ではあまり知られていないトニックウォーターについて、基礎知識や歴史、最近の潮流などをざっくりご紹介!


そもそもトニックウォーターとはどんな飲み物?


トニックウォーターとは、柑橘を思わせる爽やかな香りに、甘みと苦味を効かせた炭酸飲料。柑橘類を中心としたボタニカル(草根木皮)から抽出したエキスや、樹皮などを元とした苦味成分を原料に、砂糖などの糖分を加えて作られています。ジン・トニックの他、様々なカクテルのミキサー(割材)として重宝されているだけでなく、その爽やかな味わいから食前の飲み物やジュースしても親しまれています。 そんなトニックウォーターですが、実は元々、歴史的にも重要な“薬品”でした。



トニックウォーターの歴史〜抗マラリア薬からジン・トニックが生まれるまで


その昔、三大感染症に数えられる「マラリア」が各地で猛威を奮っていました。治療薬がなく為す術がない病気だったのですが、16〜17世紀ごろ南米に渡ったヨーロッパ人が、ペルーの地で解熱剤として用いられていたキナの樹皮に、マラリアへの薬効があることを発見。これがヨーロッパに持ち込まれると抗マラリア薬として各地に広がり、人々はマラリアから救われるようになります。ただしこの薬は、“とても苦い”という欠点がありました。1820年に薬効成分のキニーネを、キナの樹皮から分離することに成功すると、1858年には初めてトニックウォーターとして市販され、飲みやすい健康飲料へと進化していきました。(「シュウェップス」のトニックが登場するのはこの少し後)




















一方で、それ以前にこの薬の苦味を克服していたのがイギリス人です。インドを植民地化していたイギリスの軍隊の間でもマラリアは脅威となっており、キニーネ水は重宝されていました。ジンの本場でもあるこの国の軍隊は、当時船にジンを積んでいました。そして彼らは苦いキニーネ水にジンと砂糖を加えると、美味しく、しかも楽しくなることを発見。これがジン・トニックの起源ともされており、ジンの国の軍人によって、ジンとトニックの組み合わせが始まったのです。


近年はキナ由来の苦味に回帰したプレミアムトニックがブームに



薬として始まったトニックウォーターですが、美味しい飲み物として次第に役目が変わっていきます。元々の原料であったキナ由来のキニーネは使われなくなり、その他の苦味成分を代用し効率的に生産されたカジュアルなトニックが主流となります。現在でも多くのブランドがこれにあたるのですが、近年は流れが変化。キナ由来のキニーネに回帰し、その他ナチュラルな原料によって作られる「フィーバーツリー」が2005年に発売されると、“プレミアムトニック”として人気を集めます。その後続々とキナ由来のナチュラルなトニックブランドが登場し、クラフトジンや良いお酒を引き立てるミキサーとして地位を確立。現在、クラフトジンブームと並行して、プレミアムトニックもまた世界的に大きな流れとなっています。



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